戦略ファシリテーター

限界利益 用語

げんかいりえき

売上高から変動費を差し引いた利益で、固定費の回収と利益創出に貢献する額を表す指標。

売上から変動費を引いた利益。固定費の回収と利益に、どれだけ貢献したかを表す。

限界利益の式。売上高から変動費を引く。営業利益は限界利益から固定費を引く限界利益売上高変動費売上に比例営業利益限界利益固定費限界利益率(%)=限界利益÷売上高×100。限界利益が固定費を上回った瞬間から黒字粗利益(売上原価を引く)とは費用の分類軸が違う、別の概念

説明

限界利益とは、売上高から変動費(売上に比例して増減する費用)を差し引いた利益で、固定費の回収と最終的な利益にどれだけ貢献したかを示す指標です。 計算式は「限界利益(円)=売上高(円)−変動費(円)」、これを売上高で割った「限界利益率(%)=限界利益 ÷ 売上高 × 100」を単価あたりの稼ぐ力の指標として使います。 営業利益との関係は「営業利益=限界利益 − 固定費」で表せ、限界利益が固定費を上回った瞬間から黒字化します。 粗利益(売上原価を引いた利益)とは費用の分類軸(変動費か原価か)が異なる別概念です。

適用例

月額12,000円/社のB2B SaaSで、1社あたり変動費(決済手数料・従量インフラ・個別サポート)が3,000円だとします。 1社あたり限界利益=12,000−3,000=9,000円、限界利益率=9,000÷12,000×100=75%です。 人件費や家賃などの固定費が月1,800,000円なら、損益分岐点の契約数=固定費 ÷ 1社あたり限界利益=1,800,000÷9,000=200社。 契約が250社なら限界利益総額=9,000×250=2,250,000円、営業利益=2,250,000−1,800,000=450,000円となり黒字です。 ここで「値引きして月10,000円にすると限界利益は7,000円へ縮み、損益分岐点は1,800,000÷7,000≒258社へ跳ね上がる」——値引き判断は限界利益で検証すべき、と分かります。

よくある誤解・つまずき

  • 限界利益=粗利益(売上総利益)だと思い込む誤解。 粗利益は「売上−売上原価」で、原価には固定費的な費用も混在します。 限界利益は変動費だけを引くため、外注費・材料費が変動費なら近い値になりますが、原価に固定人件費を含む製造業では両者は一致しません。
  • 限界利益がプラスなら儲かっていると考える誤解。 限界利益は固定費を引く前の額なので、限界利益総額が固定費を下回れば営業利益は赤字です。 黒字かどうかは「限界利益総額 vs 固定費」で判断します。
  • 費用を変動費と固定費に正しく分けずに算出する誤解。 この分解(固変分解)が甘いと限界利益率がぶれ、値引きや増産の意思決定を誤ります。 人件費を全額固定費扱いするなど分類の一貫性が前提です。

使うタイミング

現状分析(②)で自社の稼ぐ構造を把握する場面と、戦略方針・アクションプラン(③④)で「値引き・追加受注・撤退・増産」の意思決定を検証する場面で使います。 とくに損益分岐点分析や価格設定の判断根拠になります。 注意すべき誤用は、費用を変動費と固定費にきちんと分けないまま使うこと、そして限界利益(固定費控除前)と営業利益(控除後)を混同して黒字判定に使うことです。 また変動費・固定費の区分は事業や期間で変わるため、比較時は前提をそろえます。

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