戦略ファシリテーター

損益分岐点 用語

そんえきぶんきてん

売上と費用が一致し利益がゼロになる売上高または数量の水準。 ここを超えて初めて黒字化する採算ラインを指す。

売上と費用が釣り合い、利益がゼロになる水準。固定費を限界利益率で割る。

損益分岐点の式。売上高は固定費を限界利益率で割る。販売量は固定費を1個あたり限界利益で割る損益分岐点売上高固定費÷限界利益率損益分岐点販売量個・社固定費÷1個あたり限界利益単価−1個の変動費限界利益率=(売上高−変動費)÷売上高この水準を超えた分の限界利益が、そのまま利益として積み上がる。固定費・変動費の区分を明示する

説明

損益分岐点とは、売上高と総費用(固定費+変動費)が釣り合い、利益がちょうどゼロになる売上高または販売数量のこと。 費用を「売上に比例する変動費」と「売上と無関係にかかる固定費」に分け、次の式で求める。 損益分岐点売上高(円)=固定費(円)÷限界利益率、限界利益率=(売上高−変動費)÷売上高(無単位・比率)。 数量で見る場合は、損益分岐点販売量(個・社)=固定費(円)÷1個あたり限界利益(円)で、1個あたり限界利益=販売単価−1個あたり変動費。 この水準を超えた分の限界利益がそのまま利益として積み上がる。

適用例

月額課金のB2B SaaSで、固定費(人件費・オフィス・サーバー)が月300万円、1社あたり月額単価3万円、1社あたり変動費(決済手数料・サポート原価)0.6万円とする。 1社あたり限界利益=3万円−0.6万円=2.4万円。 損益分岐点の契約社数=固定費300万円÷2.4万円=125社。 検算すると、125社では売上=125社×3万円=375万円、変動費=125社×0.6万円=75万円、限界利益=375−75=300万円=固定費となり利益はゼロ。 売上高ベースでも、限界利益率=2.4÷3=0.8(80%)、損益分岐点売上高=300万円÷0.8=375万円で一致する。 契約が126社に増えれば、超過1社分の限界利益2.4万円がそのまま黒字になる。

よくある誤解・つまずき

  • 「損益分岐点を超えれば売上の全額が利益になる」は誤り。 超過分のうち利益になるのは限界利益(売上−変動費)の部分だけで、変動費は売上に比例して増え続ける。
  • 固定費と変動費の線引きを間違えると分岐点が大きくズレる。 たとえば歩合給や外注費を固定費に入れると分岐点が実態より低く出て、採算を楽観視してしまう。
  • 分岐点は一度計算して終わりではない。 値上げ・原価変動・人員増で単価や固定費が動くたびに再計算が必要で、古い数値のまま意思決定すると赤字ラインを見誤る。

使うタイミング

主に②現状分析で自社の採算構造を把握する場面と、④アクションプランで「何社・いくつ売れば黒字か」という目標を数字で置く場面で使う。 新規事業・新料金プランの検討時に、固定費をどこまで回収できるかの判断材料になる。 誤用として、固定費・変動費の区分が曖昧なまま概算で出すと結論が逆転しうるため、区分の根拠を明示したうえで用いる。 売上構成が複数商品にまたがる場合は、商品ごとの限界利益率が異なるため単純合算は避ける。

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