マクロ環境 用語
一企業では変えられず社会全体に共通して働く外部要因。 政治・経済・社会・技術などが該当し、機会と脅威の源泉になる。
一企業では変えられず、社会全体に共通して働く外部要因。変えるのではなく「読み解いて先回りする」対象で、機会と脅威の源泉。
政治・経済・社会・技術(PEST)で整理する。網羅しようと情報収集が目的化しやすい。自社の意思決定に効く、規模の大きい機会・脅威に絞る。
説明
マクロ環境とは、一企業の努力では制御できず、業界全体・社会全体に共通して影響を及ぼす外部要因を指す。 政治や法規制、景気や金利、人口動態や価値観の変化、技術革新などがその中身で、政治(Politics)・経済(Economy)・社会(Society)・技術(Technology)の頭文字をとったPEST分析で整理するのが一般的である。 競合・顧客・自社といった、業界内で直接やり取りする「ミクロ環境」の外側に位置づけられ、企業はこれを変えるのではなく「読み解いて先回りする」対象として扱う。 本サービスの5プロセスでは②現状分析でマクロ環境を捉え、それがSWOTの外部環境(機会・脅威)へと流れ込む。
適用例
従業員8名の地方の税理士事務所が②現状分析でマクロ環境を整理した例。 政治=インボイス制度と電子帳簿保存法の義務化、経済=最低賃金が3年で時給約200円上昇し人件費が年約120万円増、社会=地域の事業者数が10年で15%減少、技術=クラウド会計ソフトの中小普及率が急上昇、と4象限に並べた。 ここから「制度対応に追われる小規模事業者の代行需要=機会」「価格競争力を持つクラウド系の新興事務所=脅威」を抽出し、③戦略方針で『クラウド会計の導入支援+顧問』へ軸足を移す判断につなげた。 単なる時事の羅列ではなく、各要因を自社の機会・脅威に翻訳している点が実務での要である。
よくある誤解・つまずき
- 業界の競合状況や仕入先との力関係までマクロ環境に含めてしまう誤解。 それらは業界内で直接向き合うミクロ環境で、5Forcesや3Cの領域。 マクロは業界の外側の、より大きく共通の力を指す。
- 『自社には関係ない遠い話』と切り捨てる誤解。 中小企業ほど最低賃金・社会保険料・インボイス・補助金制度といったマクロ要因が利益を直撃する。 規模が小さいほど吸収余力がなく影響は相対的に大きい。
- ニュースやトレンドを列挙すれば分析完了だと思う誤解。 要因を挙げるだけでは戦略に使えない。 『だから自社にとって機会か脅威か、どの程度の大きさか』まで翻訳して初めて意味を持つ。
使うタイミング
5プロセスの②現状分析の入口で、業界や競合を見る前に「そもそもどんな大きな追い風・向かい風が吹いているか」を捉える場面で使う。 新市場への参入や新規事業を検討するとき、海外・別地域へ展開するときは特に重要度が上がる。 ここで洗い出したマクロ要因は、SWOTの外部環境(機会・脅威)へ受け渡し、③戦略方針の市場機会の判断材料にする。 誤用しやすいのは、要因を網羅しようと情報収集が目的化してしまうケース。 自社の意思決定に効くもの(規模の大きい機会・脅威)に絞り込むことを意識する。
