戦略ファシリテーター

ロジックツリー 用語

ロジックツリー

大きな課題を「もれなく・重複なく」の考え方で枝分かれさせ、原因や打ち手を階層状に分解して全体像を可視化する思考ツール。

頂点の問いを、もれなく・重複なく枝分かれさせる。深掘り(縦)と網羅(横)の両方向で全体像をつかむ。

ロジックツリーの図。売上を伸ばすを頂点に、客数と客単価へ枝分かれし、さらに下へ広がる売上を伸ばす頂点の問い(テーマ)客数売上=客数×客単価もれなく重複なく客単価MECEに分ける深掘り(縦)網羅(横)

What型(要素に分ける)・Why型(原因を「なぜ?」で掘る)・How型(打ち手を「どうやって?」で広げる)の3種類。先にイシューを1つに絞ってから描く。

説明

ロジックツリーとは、1つの大きなテーマ(例:売上を伸ばす)を頂点に置き、それを構成要素へと段階的に枝分かれさせ、原因や打ち手を階層構造(木の形)で整理する思考ツールです。 各段の枝は「もれなく・重複なく(MECE)」に分けるのが原則で、これにより論点の見落としと二度手間を同時に防げます。 用途によって主に3種類を使い分けます。 (1)What型(要素分解ツリー)=対象を構成要素に分ける(売上=客数×客単価など)、(2)Why型(原因追究ツリー)=問題の原因を「なぜ?」で掘り下げる、(3)How型(問題解決ツリー)=課題に対する打ち手を「どうやって?」で展開する。 頂点の問いを深掘り(縦)と網羅(横)の両方向へ広げることで、思いつきの単発ではなく体系立った検討と優先順位づけを可能にします。

適用例

従業員25名・月商1,200万円のB2B向けクラウド請求SaaS「B社」で「月商を1,500万円へ伸ばす」を頂点にHow型ロジックツリーを描いた例。 まず月商を「新規獲得」と「既存維持・拡大」にMECEで2分割。 新規は現状の月間商談60件×受注率20%×平均単価月2万円=新規24万円/月。 ここを「商談数を増やす」「受注率を上げる」「単価を上げる」の3枝に分解した。 既存側は「解約を減らす」「アップセルする」に分け、さらに解約枝を「なぜ解約するか(Why型を接続)」で掘ると、解約の68%が初期設定未完了層に集中と判明。 優先順位づけの結果、他枝より投資対効果が高い「オンボーディング支援で解約率を月3.5%→2.0%へ」と「既存120社への上位プランのアップセル(単価月2万円→3万円を15社に)」の2枝に資源を集中。 試算では上位プラン15社で+15万円/月、解約改善で維持できる顧客の積み上がりで、思いつきの値下げ策(全社粗利を削る)を避けて増収筋を特定できた。 ツリー化により「どの枝が一番効くか」を横並びで比較できた点が要。

よくある誤解・つまずき

  • 枝分かれが「もれなく・重複なく(MECE)」になっていないのに満足してしまう誤解。 売上を『既存顧客・新規顧客・法人顧客』のように分けると、既存かつ法人が二重計上され(重複)、判断を誤る。 同じ切り口(軸)で1回だけ切り、各段でモレ・ダブりを点検するのが要。
  • とにかく深く枝を伸ばすほど良いと考える落とし穴。 3〜4階層も掘れば実務では十分で、枝を増やしすぎると分析だけで疲弊し打ち手に進めない。 『この枝を深掘りすると結論が変わるか』を基準に、効く枝だけ深掘りするのが正しい使い方。
  • What型・Why型・How型を混ぜて描いてしまう誤解。 1本のツリーの中で原因(なぜ)と打ち手(どうやって)を同じ階層に混在させると論理が破綻する。 まず何を分解したいのか(要素/原因/打ち手)を決め、1本=1目的で統一する。

使うタイミング

主に②現状分析(Why型で問題の原因を漏れなく掘る)と③戦略方針〜④アクションプラン(How型で打ち手を体系的に展開し優先順位をつける)で効きます。 当サービスの『問題解決の4つのステップ』では、原因の網羅(Why)と打ち手の網羅(How)の局面がロジックツリーの出番です。 単一の因果を深く掘るだけなら「なぜなぜ分析」の方が軽く、原因や打ち手が複数に枝分かれする問題ほどツリーが向きます。 一方、答えるべき問い(イシュー)が定まっていない段階でいきなりツリーを広げると、網羅性にこだわって枝ばかり増え結論が出ない『分析麻痺』に陥ります。 まずイシューを1つに絞ってから描くのが誤用回避の勘所です。 また各枝は事実・数字で裏づけ、思いつきの枝を並べただけの『きれいな木』で満足しないことが実務の分かれ目です。

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