なぜなぜ分析 用語
ある問題に「なぜ?」を繰り返し重ね、表面の症状ではなく真の原因まで掘り下げて突き止める思考法。
「なぜ?」を重ねて、表面の症状ではなく真因まで下りる。回数の5は目安。
「なぜ」を人の感情や能力に向け始めたら、視点を仕組み側に戻す。原因が複数に枝分かれする問題は、ロジックツリーのほうが向く。
説明
なぜなぜ分析は、目の前で起きている問題に対して「なぜそうなったのか?」という問いを数回(目安として5回程度)繰り返し、原因の連鎖をたどりながら根本原因(真因)にたどり着く思考法です。 1回目の「なぜ」で出てくる答えは多くの場合まだ表面的な症状であり、そこにさらに「なぜ」を重ねることで、より深い構造的な原因が見えてきます。 真因を特定できれば、対症療法ではなく再発を防ぐ根本的な打ち手を設計できます。 回数の「5」はあくまで目安で、真因に届けば3回でも、届かなければ6回以上でも構いません。
適用例
月商1,200万円のB2B SaaS企業で「解約率が前四半期の月2.5%から4.0%に悪化した」という問題を分析する。 なぜ①解約が増えた→初月で使わなくなる顧客が増えた。 なぜ②使われない→初期設定が完了しないまま放置される。 なぜ③放置される→設定手順が営業の口頭説明頼みで、担当により抜け漏れがある。 なぜ④抜け漏れる→オンボーディングのチェックリストや自動ガイドが存在しない。 なぜ⑤存在しない→「導入は営業が対応するもの」という前提で、カスタマーサクセスの工程設計がなされていない。 真因は「初期設定を仕組みで支える工程の欠如」と特定でき、打ち手が「営業教育」から「セルフオンボーディング機能とCSの設計」へ変わる。 表面の解約数だけ追っていたら見えない結論に到達できる。
よくある誤解・つまずき
- 「必ず5回」と数を目的化してしまう誤解。 5は目安にすぎず、無理に5回埋めようとすると後半で論理が飛躍したり、こじつけの原因を作文してしまう。 真因に届いた時点で止めてよい。
- 犯人探しや人の責任追及に使ってしまう落とし穴。 「なぜミスした→本人の注意不足」と個人に帰着させると、そこで思考が止まり仕組みの問題が見えなくなる。 原因は人ではなく仕組み・プロセスに向けるのが実務の鉄則。
- 事実確認をせず、机上の推測だけで「なぜ」をつなぐ誤り。 各段の「なぜ」は現場のデータや観察で裏づけるべきで、想像で連鎖を作ると、もっともらしいが誤った真因にたどり着く。
使うタイミング
主に②現状分析の工程で、「業績が伸びない」「解約が多い」といった問題の真の原因を突き止めたいときに使います。 当サービスの『問題解決の4つのステップ』のうち、原因を掘り下げる『Why』の局面がこれにあたります。 原因が特定されているのではなく複数の要因が絡む問題ほど有効です。 一方、原因がすでに明白な場合や、単一の因果でなく複数原因が並列する問題(この場合はロジックツリーで分岐させる方が適切)には向きません。 また「なぜ」を人の感情や能力に向け始めたら、視点を仕組み側に戻すのが誤用回避の勘所です。
