本日、Evolver PartnersのWebサイトに「戦略フレームワーク・用語辞典」を公開しました。
「3C分析とは」の意味だけでなく、何を分析し、どう使い、他のフレームワークとどうつながり、戦略づくりのどの場面で使うのかまで整理した用語辞典を公開しました。200件を無料で検索・閲覧できます。
「3C分析とは」「SWOT分析とは」「PEST分析とは」。戦略やマーケティングを調べていて、こうした検索をしたことがある方は多いと思います。検索すれば、「○○とは、△△を分析するフレームワークです」という説明はいくらでも出てきます。
その説明は必要です。ただ、実際に戦略をつくる側に立つと、意味を知っているだけでは足りない場面に何度も出くわします。その足りなさが、今回の用語辞典をつくった理由のひとつです。
知っていることと、使えることは違う
3C分析は、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つを見る手法です。ここまでは、多くの方がご存じでしょう。
けれども、なぜCustomerから見るのか。競合は同業他社だけを見ればいいのか。3つの分析を最後に何へつなげるのか。PESTや5Forcesと何が違うのか。3CのあとにSWOTをやるのか。そもそも戦略づくりのどの段階で使うのか。こう問われると、答えに詰まる方が少なくありません。
こうした問いに答えられるようになってはじめて、フレームワークは知識から、実務で使える道具に変わります。
3つの箱を埋めることが目的ではない
あるBtoB SaaS企業の例を挙げます。この会社は「月額料金の安さ」を最大の売りにしていました。ところが顧客に聞いてみると、導入をためらわせていた本当の理由は料金ではなく、「初期設定の手間」でした。
競合を見ると、大手のサービスは機能が豊富で価格は高め、設定の代行は有料です。一方、この会社には社労士の知見があり、初期設定を自分たちで支援できます。
ここで見るべきなのは、「顧客が本当に困っていること」「競合が満たせていないこと」「自社が提供できること」の重なりです。すると、「安いSaaS」ではなく「初期設定まで任せられるSaaS」という、別の勝ち筋が浮かび上がります。
3C分析とは、Customer・Competitor・Companyの3つを書き出す作業ではありません。集めた情報から「では、どこで勝つのか」を導き出すところまでが3C分析です。
フレームワーク同士のつながりを整理した
フレームワークは、ひとつひとつが独立しているわけではありません。3Cに入る前にPESTでマクロ環境を、5Forcesで業界構造を見る。そこで得たものを3Cに持ち込む。3Cから見えた強み・弱み・機会・脅威をSWOTやクロスSWOTへ渡す。顧客にとっての価値を整理して、バリュープロポジションへつなぐ。前後のつながりがあるのです。
個々の意味を覚えていても、「次に何をするか」が分からなければ、戦略づくりの中では使いにくい。そこで今回の辞典では、用語の意味に加えて、次の項目まで整理しました。
- 何を分析するのか
- 具体的にどう使うのか
- どんな場面で使うのか
- よくある誤解や失敗
- 具体的な適用例
- 他のフレームワークとの関係
- 戦略づくりの5プロセスのどこで使うのか
「いつ使うのか」が分かるように
とくに大事にしたのが、使うタイミングです。フレームワークにはそれぞれ向いている局面があります。
3C分析でいえば、戦略づくりの「現状分析」の中核に位置します。PESTや5Forcesで外部環境と業界環境をつかんだうえで、市場と顧客はどう動いているか、競合はどう構えているか、その中で自社に何ができるかを整理し、勝ち筋の仮説をつくって次の分析や戦略方針へつなぐ。この位置づけが分かるだけで、「3C分析をやったのに、結局何だったのか」という結末はかなり減らせるはずです。
200件を無料で公開しています
公開した「戦略フレームワーク・用語辞典」には、現時点で200件の用語とフレームワークを収めています。「この言葉の意味は何だったか」を確かめる用途にも、「このフレームワークはいつ使うのか」「ほかとどうつながるのか」を調べる用途にも使えます。検索も閲覧も無料です。
知識として暗記するためではなく、「実際の戦略づくりでどう使うのか」を考えるための辞典として、使っていただければうれしく思います。
最初に「3C分析」をご覧ください
手始めに3C分析のページを見ていただくと、一般的な説明にとどまらず、具体的な使い方、適用例、よくある誤解、PEST・5Forcesとの関係、SWOT・バリュープロポジションへのつなぎ方、5プロセスの中での位置づけまで確認できます。「3Cなら知っている」という方にこそ、一度読んでいただきたいページです。
意味を調べる場所ではなく、どう使うかを確かめる場所として。そんな使い方をしてもらえたら、つくった甲斐があります。
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