戦略ファシリテーター

ステークホルダー 用語

ステークホルダー

戦略や事業の成否に利害・関心を持ち、影響を与えたり受けたりする関係者すべてを指す言葉。

戦略や事業の結果に利害・関心を持ち、影響を与えたり受けたりする関係者すべて。株主(出資者)より広い。

ステークホルダーの図。社内の関係者と社外の関係者社内経営層現場社員他部門社外顧客・株主取引先・金融機関地域社会・行政利害の方向は必ずしも一致しない誰が味方で、誰が抵抗勢力になりうるかを早い段階で把握する

目立つ株主や顧客だけを見て、実行を左右する現場社員や他部門を数え漏らさない。洗い出したら、影響力・関心度で分類して働きかけ方まで設計する(ステークホルダーマッピング)。

説明

ステークホルダーとは、自社の戦略・事業・プロジェクトの結果によって利益や損失を被る、あるいは結果を左右する力を持つ関係者すべてを指す言葉です。 株主や顧客だけでなく、社内では経営層・現場社員・他部門、社外では取引先・金融機関・地域社会・行政などが含まれ、利害の方向は必ずしも一致しません。 株主(shareholder)が出資者に限定されるのに対し、ステークホルダーはより広く「その事業と利害でつながる全員」を捉える点が特徴です。 戦略立案では、誰が味方で誰が抵抗勢力になりうるかを早い段階で把握するための出発点になります。

適用例

B2B向けの受発注SaaSを提供する従業員30名の企業が、主力製品の料金を月額3万円から5万円へ改定する戦略を検討した。 ここでステークホルダーを洗い出すと、(1)既存顧客120社(値上げで一部が解約リスク=影響大)、(2)営業チーム6名(値上げ交渉の矢面に立つ=実行の当事者)、(3)出資している投資家(客単価向上で企業価値上昇を期待)、(4)決済を担う取引先の決済代行会社、(5)製品を評価する業界メディア、と方向の違う利害が並んだ。 経営陣が当初「株主と自社の売上」だけを見て値上げを決めかけたが、既存顧客と現場営業という影響の大きいステークホルダーを見落としていた。 改めて全員を書き出したことで、既存顧客には3か月の据え置き猶予と機能追加をセットにする緩和策を用意でき、解約を想定の月8社から3社に抑えて改定を成立させた。

よくある誤解・つまずき

  • 「ステークホルダー=株主」だと思い込む誤解。 英語のshareholder(株主・出資者)とstakeholder(利害関係者)は別物で、後者は顧客・従業員・取引先・地域社会まで含むはるかに広い概念。 株主の利益だけを見て他の関係者の反発を招くと、正しい戦略でも実行段階で頓挫する。
  • 「社外の関係者」だけを指すと思いがちだが、経営層・現場社員・他部門といった社内の人・組織も重要なステークホルダー。 むしろ実行を止めるのは社内の無関心や部門間の温度差であることが多く、内部を軽視すると戦略が現場で動かない。
  • 「全員を平等に大切にすべき」と捉えるのも実務では落とし穴。 利害の方向も影響力も相手ごとに違うため、全員に均等な労力を割くと肝心の相手への集中が薄れる。 誰にどう働きかけるかは相手の影響力・関心度に応じて変える必要がある。

使うタイミング

戦略立案の入口、とくに②現状分析で「自社を取り巻く関係者は誰か」を棚卸しする場面と、④アクションプランで施策の実行体制を組む場面で使います。 値上げ・新規事業・組織変更など、誰かの利害を動かす意思決定の前に関係者を広く洗い出しておくと、抵抗や巻き込み不足を先回りして防げます。 誤用しやすいのは、株主や顧客など目立つ相手だけを見て、実行を左右する現場社員や他部門といった内部の関係者を数え漏らすこと。 また、洗い出しただけで満足し、相手ごとの働きかけ方まで設計しないと実務では効果が出ません。 関係者を影響力・関心度で分類して打ち手に落とす段階では、ステークホルダーマッピングへ進みます。

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