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EBITDA 用語

イービットディーエー

利息・税金・減価償却費を差し引く前の利益で、本業が生む現金稼得力をおおまかに示す収益指標のこと。

利息・税金・減価償却費を引く前の利益。本業の現金稼得力を、おおまかに示す。

EBITDAの式。営業利益に減価償却費を足す。EBITDAマージンはEBITDAを売上高で割って100を掛けるEBITDA営業利益減価償却費のれん償却もEBITDAマージン%EBITDA÷売上高×100設備の重さ・資本構成・税制が違う会社どうしを、本業の収益力で近い土俵で比べやすい正式な会計上の利益ではなく、設備投資や運転資本の増減を無視する。フリーキャッシュフローとは別物

説明

EBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)とは、利息・税金・減価償却費を差し引く前の利益で、事業が本業でどれだけ現金を稼ぐ力があるかをおおまかに示す指標です。 実務では営業利益から積み上げる式が扱いやすく、「EBITDA(円)=営業利益+減価償却費(のれん償却があればそれも加算)」で求めます。 損益計算書の下から積み上げる場合は「EBITDA=税引前当期純利益+支払利息+減価償却費」でも同じ値になります。 売上に対する稼ぐ力の率は「EBITDAマージン(%)=EBITDA÷売上高×100」で測ります。 減価償却費(設備・ソフトウェア資産を耐用年数で費用配分した、現金支出を伴わない費用)と、利息・税金という財務・制度の影響を除くため、設備の重さや資本構成、税制が異なる会社どうしでも本業の収益力を近い土俵で比べやすくなるのが特徴です。 ただしEBITDAは会計基準で定義された正式な利益ではなく、設備投資(現金流出)や運転資本の増減を無視するため、フリーキャッシュフローそのものではありません。

適用例

年商2.4億円(=24,000万円)の中小B2B SaaS・A社を例にとります。 営業利益は1,800万円(営業利益率=1,800÷24,000×100=7.5%)、自社開発ソフトとサーバー資産の減価償却費が1,200万円なので、EBITDA=営業利益1,800+減価償却1,200=3,000万円、EBITDAマージン=3,000÷24,000×100=12.5%です(下から積み上げても、税引前利益1,600万円+支払利息200万円+減価償却1,200万円=3,000万円で一致)。 ここで同じ年商2.4億円の競合B社は、インフラをクラウド従量に寄せて設備が軽く、減価償却費300万円・営業利益2,400万円(営業利益率10.0%)だとします。 B社のEBITDA=2,400+300=2,700万円、EBITDAマージン=2,700÷24,000×100=11.3%。 営業利益率だけ見るとA社7.5%<B社10.0%でA社が見劣りしますが、EBITDAマージンではA社12.5%>B社11.3%と逆転します。 差は本業の弱さではなく減価償却(資産計上の重さ)の違いだと分かり、投資判断でA社の企業価値(EV)が4.5億円なら、EV÷EBITDA=45,000÷3,000=15.0倍と評価できます。

よくある誤解・つまずき

  • 「EBITDA=会社が自由に使える現金」という誤解。 EBITDAは減価償却を足し戻すぶんキャッシュに近づきますが、実際の設備投資(現金流出)や売掛金・在庫の増加による運転資本の圧迫を一切引いていません。 設備投資が重い会社ほどEBITDAと手元現金のズレが大きく、EBITDAが厚くてもフリーキャッシュフローが薄い、あるいはマイナスになることがあります。
  • 「EBITDAが大きい=優良企業」という早合点。 減価償却を足し戻す指標のため、多額の設備投資をした会社ほどEBITDAは見かけ上ふくらみます。 その投資の回収(=将来の営業利益・キャッシュ創出)が伴わなければ、EBITDAだけ大きく最終利益は赤字ということも起こり得ます。
  • EBITDAを会計基準で決まった正式な利益と思い込む誤解。 EBITDAは会社ごとに調整項目(一時費用や役員賞与の足し戻しなど「調整後EBITDA」)の範囲が異なり得るため、算出ルールをそろえずに他社と比べると数字がぶれます。 比較・評価に使うときは、何を足し戻したかの前提を必ずそろえます。

使うタイミング

主に②現状分析で自社の本業の稼ぐ力を、設備の重さや資本構成の影響を除いて把握する場面と、③戦略の方針・④アクションプランでM&A・事業売却・大型設備投資の採算や企業価値(EV/EBITDA倍率)を見立てる場面で使います。 減価償却の会計方針や借入水準・税制が異なる会社どうしを比べたいとき、営業利益率だけでは資本集約度の差で結論を誤るため、EBITDAマージンを併用すると本業の収益力を近い土俵で比較できます。 誤用として、EBITDAを手元現金(フリーキャッシュフロー)と同一視して資金繰りを判断すること、設備投資の回収可否を見ずにEBITDAの大きさだけで投資を正当化することは避けます。 実務では、設備投資・運転資本まで含めたキャッシュフローと、最終利益(営業利益・当期純利益)を必ずセットで読みます。

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