戦略ファシリテーター

イシュードリブン 用語

イシュードリブン

作業から入らず「今、本当に答えを出すべき問い(イシュー)」を最初に見極め、そこに労力を集中する問題解決の思考法。

作業から入らず、「今、本当に答えを出すべき問い(イシュー)」を先に見極め、そこに労力を集中する。

イシュードリブンの対比。網羅思考と、答えを出すべき問いを先に絞る進め方網羅思考何でも調べるいきなり情報収集・分析に着手SWOTや3Cを手当たり次第に埋める頑張ったのに前に進まないイシュードリブン問いを先に絞る本当に答えを出す価値がある問いは何かそのイシューに沿って作業を設計少数の重要な問いに資源を集中良いイシューの条件=決着が必要・踏み込む価値がある・答えを出せる

良いイシュー=本当に決着をつける必要があり、深く踏み込む価値があり、答えを出せる。「答えが出せるか」の検証を飛ばすと机上の空論に時間を溶かす。

説明

イシュードリブンとは、いきなり情報収集や分析に着手するのではなく、「今この局面で、本当に答えを出す価値がある問い(=イシュー)は何か」を最初に絞り込み、そのイシューに沿って作業と論点を設計する進め方です。 良いイシューは「本当に決着をつける必要があり」「深く踏み込む価値があり」「答えを出せる」という条件を満たします。 網羅的に何でも調べる「網羅思考」の対極にあり、少数の重要な問いに資源を集中することで、限られた時間で意思決定に効く結論へ最短距離で到達することを狙います。 イシューを外すと、どれだけ精緻に分析しても成果につながらない「頑張ったのに前に進まない」状態に陥る点が核心です。

適用例

従業員30名のB2B向けSaaS企業で「解約が多い」という漠然とした問題意識から改善に着手した例。 当初は機能追加とUI改善を並行して進めようとしたが、イシュードリブンで問いを絞り込むと、月次解約率6%のうち約7割が「契約後30日以内・初回ログイン後に主要機能まで到達できていない層」に集中していると判明。 ここで「解約を減らすには?」ではなく「初期30日で主要機能に到達させるには何が障害か?」を答えるべきイシューに設定し直した。 結果、施策をオンボーディング導線の1点に集中させ、初回設定完了率を48%→71%へ改善、月次解約率を6%→4.1%へ下げた。 機能追加を一旦保留にできたことで開発工数も約4割節約できた。

よくある誤解・つまずき

  • 「重要そうな問い=良いイシュー」ではない。 重要でも今の自分たちの手元データや権限で答えを出せない問いは、まだイシューにすべきでない(答えの出せなさを見落とす)。
  • 分析の速さや作業量の削減が目的だと誤解されがち。 本質はスピードではなく『解くべき問いを間違えない』こと。 速く動いても間違った問いを解けば徒労に終わる。
  • 一度決めたイシューを固定するものと思い込む落とし穴。 現状分析(第2プロセス)で事実が見えてくると答えるべき問いは変わる。 イシューは仮置きし、事実に応じて絞り直すのが正しい使い方。

使うタイミング

戦略立案の起点、とくに第1プロセス(ビジョン)で方向性を定めた後、第2プロセス(現状分析)に入る前後で効きます。 SWOTや3Cで手当たり次第に埋める前に「この検討で本当に答えを出すべき問いは何か」を一度立ち止まって言語化する場面が典型です。 逆に、答えるべき問いが自明で単純な作業(既定の手順の実行など)にまで持ち込むと、かえって遠回りになります。 また「答えが出せるか」の検証を飛ばして重要度だけでイシューを選ぶと、机上の空論に時間を溶かすため注意が必要です。

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