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ガントチャート フレームワーク

ガントチャート

作業を横棒の帯で時間軸上に並べ、各タスクの開始日・終了日・進捗・前後関係を一枚で見える化する工程管理図。

作業を横棒で時間軸に並べ、重なり・空白・詰まりを見える化する。前工程が終わらないと始められない鎖(クリティカルパス)を最優先で管理する。

ガントチャートの図。原稿作成、デザイン、実装、検証の4本の横棒と、前後関係の矢印、節目、今日の線第1週第2週第3週第4週例:LP制作(週)原稿作成デザイン担当:Bさん実装クリティカルパス検証公開◆ 節目節目今日

WBSで分解した末端タスク(担当1人が数日〜2週間)に1本の棒。外部依存の待ち時間やバッファを先に空白として確保し、毎週、予定線と進捗を突き合わせる。図は例。

用途

WBSで洗い出した作業を「いつ始めて・いつ終わるか」の時間軸に落とし込み、実行計画の全体像を一枚で共有するために使う。 縦軸にタスク(担当者つき)、横軸に日付を置き、各作業を横棒で表すことで、どの作業がいつ動くか、どれが後続作業を止めるか(前後関係・クリティカルパス)、いま予定に対して遅れているかを可視化する。 目的は、頭の中や箇条書きのToDoでは見えない「作業の重なり・空白・詰まり」を明らかにし、担当と期限を握り、進捗の遅れを早期に検知して手を打てる状態にすること。 アクションプラン工程で、決めた打ち手を「実際に回るスケジュール」へ落とす最終段の道具に位置づける。

使い方

  1. WBSで作業を分解してから着手する。 いきなりガントを引かず、成果物を親→子へ分解した末端タスク(例:LP制作→原稿作成・デザイン・実装・検証)を先に用意する。 1本の横棒は1つの実行可能なタスクに対応させ、粒度は担当1人が数日〜2週間で終える大きさに揃える。
  2. 各タスクに開始日・終了日・担当者を割り付け、横軸(日付)上に横棒として配置する。 作業日数は楽観値でなく、担当の稼働率(例:この案件に週3日)とレビュー往復を織り込んで見積もる。 担当を1タスク1名の主担当に決め、名前を棒の左に併記する。
  3. タスク間の前後関係(依存)を矢印や順序で結ぶ。 「デザイン確定→実装開始」のように、前工程が終わらないと始められない鎖を明示し、その連なりで完成が最も遅くなる経路=クリティカルパスを特定する。 ここが遅れると全体が遅れるので最優先で管理する。
  4. 節目にマイルストーン(◆)と、外部依存の待ち時間・バッファを置く。 顧客レビュー待ちや検収など自社で動かせない期間、連休や月末の締めを空白として先に確保し、詰め込みすぎを防ぐ。
  5. 運用フェーズでは毎週、実績の進捗率(棒の塗り)と予定線(今日の縦線)を突き合わせ、遅れているタスクだけを対象に、担当追加・順序組み替え・スコープ削減のいずれで取り戻すかを決める。 計画は引いて終わりでなく、ズレを検知して更新し続ける前提で使う。

適用例

従業員14名・年商2.1億円のB2B向けクラウド請求管理SaaS「A社」が、新機能「電子帳簿保存法対応オプション」を法改正の施行日(3か月後)に間に合わせるため、アクションプラン工程でガントチャートを作成した事例。 WBSで末端タスクを8本に分解し、各棒に開始・終了・担当を割り付けた。 ①要件定義(週1〜週2・PM田中)→②DB設計(週2〜週3・エンジニア2名)→③実装(週3〜週7・エンジニア2名、この案件に稼働率60%と設定し実装を4週間で見積もり)→④社内テスト(週7〜週8)→⑤ベータ顧客5社での検証(週8〜週10)→⑥ドキュメント整備(週8〜週9・並行)→⑦申請・要件確認の外部レビュー待ち(週10〜週11・自社で動かせない2週間をバッファとして先に確保)→⑧リリース(◆週12=施行日1週間前)。 ①→②→③→④→⑤→⑦→⑧がクリティカルパスと判明し、実装(③)が1週遅れると施行日に間に合わないと可視化された。 運用では毎週金曜に進捗率を更新し、週5時点で実装が予定65%に対し実績48%と遅れを検知。 エンジニアを一時1名増員し、優先度の低いドキュメント(⑥)を後ろ倒しにして4日で挽回、施行日3日前にリリースできた。 ガントを引かず箇条書きToDoで進めていた前回機能では、外部レビューの2週間を見落として納期が10日超過していた。

よくある誤解・つまずき

  • ガントチャートを『きれいな計画表を作ること』だと誤解する落とし穴。 本質は作って壁に貼ることではなく、毎週の実績と予定のズレを検知して手を打つ運用にある。 更新されず初週のまま放置されたガントは、遅れを教えてくれず、むしろ『順調に見える』錯覚を生むので、更新しないなら作らない方がまし。
  • すべてのタスクを詰めて100%埋めれば効率的な計画だと考える誤解。 実際は顧客レビュー待ち・検収・連休など自社で動かせない待ち時間や、見積もりのブレを吸収するバッファを先に置かないと、1本の遅れが将棋倒しで全体を崩す。 稼働率100%前提の計画はほぼ必ず遅れる。
  • 横棒を全部並べれば全体を管理できると思い込み、タスク間の前後関係(依存)を引かない誤解。 依存線がないと、どの作業の遅れが致命傷か=クリティカルパスが見えず、遅れたとき『どこを助ければ間に合うか』を判断できない。 棒を並べるだけならToDoリストと変わらない。

使うタイミング

アクションプラン工程(④)で、WBSによる作業分解が終わり、打ち手を「誰がいつまでに」の実行計画へ落とす段階で使うのが適切。 複数タスクが並行し前後関係があるプロジェクト(新機能開発・イベント・新拠点立ち上げなど)で効く。 早すぎる失敗=戦略方針や打ち手が固まる前、まだ「何をやるか」が揺れている段階で日付を切ると、計画がすぐ陳腐化し引き直しの手間だけが増える。 まずSMARTやWBSでやることを確定させてから引く。 遅すぎる・使いどころを誤る失敗=作業が1〜2本しかない小さな依頼や、担当1名が数日で終える単純作業に精緻なガントを引くのは過剰管理で、箇条書きのToDoや5W2Hで十分。 また、引いたきり毎週更新しないなら、進捗検知という本来の価値が出ないため作る意味がない。 使いどころは「並行・依存・期限」の三拍子がそろった実行局面に限る。

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