戦略ファシリテーター

5W2H フレームワーク

ごダブリューにエイチ

施策を「なぜ・何を・誰が・いつ・どこで・どうやって・いくらで」の7項目に分解し、実行可能な計画に落とし込む枠組み。

なぜ・何を・誰が・いつ・どこで・どうやって・いくらで。1つでも空欄なら、そのタスクはまだ実行できない。

5W2Hの図。Why、What、Who、When、Where、How、How muchの7つの問いWHYなぜ上位の方針への貢献WHAT何を成果物を具体的にWHO誰が実名で1人にWHENいつ着手日と期限WHEREどこで場所・チャネルHOWどうやって行動が想像できる粒度HOW MUCHいくらで金額・工数・ツール費7項目が揃って初めて「依頼可能」。揃ったらWBS・ガントチャートへ

担当者・期限・予算の「実行の三点セット」を明文化させる。担当者は実名で1人に、抽象語(強化する・改善する)は禁止。

用途

戦略方針は決まったのに、いざ動き出すと「誰が」「いつまでに」が曖昧で止まる——この停滞を防ぐのが5W2Hです。 5W2Hは、抽象的な方針を「Why(なぜ・目的)/What(何を)/Who(誰が)/When(いつ)/Where(どこで)/How(どうやって)/How much(いくらで)」の7つの問いに分解し、抜け漏れなく具体化するためのチェックリストです。 特にアクションプラン(第4プロセス)で威力を発揮し、担当者・期限・予算という「実行の三点セット」を強制的に明文化させます。 7項目のうち一つでも空欄なら、そのタスクはまだ実行できる状態にないというシグナルになる点が、5W2Hを単なる質問集でなく「実行可能性の検査装置」たらしめています。

使い方

  1. Why(なぜ)を最初に固定する:そのタスクが上位の戦略方針・ビジョンにどう貢献するかを一文で書く。 目的が曖昧なタスクは、後工程で優先度を判断できずに宙に浮くため、必ず起点にする。
  2. What/How(何を・どうやって)で作業内容を具体化する:成果物(例:LP1本、テストメール3種)と実行手順を、行動が想像できる粒度まで分解する。 抽象語(強化する・改善する)は禁止し、動詞+対象+数量で書く。
  3. Who/When/Where(誰が・いつ・どこで)で実行主体を確定する:担当者を実名で1人に絞り(複数だと責任が拡散)、着手日と期限、実施場所やチャネルを明記する。 ここが埋まって初めてタスクは『依頼可能』になる。
  4. How much(いくらで)で必要資源を見積もる:金額だけでなく工数(人日)・ツール費も含める。 予算が出た瞬間に実現可否と優先順位が判断でき、経営会議に持ち込める粒度になる。
  5. 7項目の空欄チェックで完成度を検査する:1項目でも空なら『まだ実行できない』と判定し、埋まるまで着手しない。 全項目が揃ったらWBSやガントチャートに転記し、進捗管理へ引き継ぐ。

適用例

B2B向けSaaS「勤怠管理クラウド」を提供する社員18名のスタートアップが、戦略方針『既存顧客の解約率(月次チャーン)を3.0%→1.5%に半減させる』を第4プロセスでアクションプラン化した例。 最重要施策『オンボーディング支援の強化』を5W2Hで分解した。 Why:導入後30日以内の設定完了率が42%と低く、これが初期解約の主因(解約顧客の68%が未完了)だから。 What:新規契約企業向けに『30日オンボーディング伴走プログラム』(初期設定チェックリスト+週1回15分のオンライン面談3回)を提供。 Who:カスタマーサクセス担当の佐藤(専任1名、月20社が上限)。 When:翌月1日開始、契約から3営業日以内に初回面談を設定。 Where:オンライン(Zoom)+アプリ内ガイド。 How:チェックリストをNotionで共有し、面談後に進捗をCRMへ記録。 How much:CS担当の人件費按分で月15万円+オンボーディング動画制作の外注費20万円(初期のみ)。 この結果、翌四半期に設定完了率42%→71%、月次チャーン3.0%→1.9%へ改善(目標1.5%には未達だが、次サイクルで面談回数を3回→4回に増やす方針を第5プロセスの振り返りで決定)。 7項目すべてが数字と実名で埋まったことで、施策は『佐藤への正式な依頼』として即日発動できた。

よくある誤解・つまずき

  • 「5W1Hを知っているから5W2Hも同じ」という誤解:追加された2つ目のH=How much(コスト・資源)こそが実務では最重要。 金額と工数が入って初めて、経営者は『やる/やらない』を判断でき、施策が机上論から予算付きの実行計画に変わる。 How muchを飛ばすと、承認が下りず結局動かない。
  • 「項目を埋めれば良い計画」という誤解:Why(目的)が上位戦略とつながっていないと、7項目が揃っていても『やること自体が間違ったタスク』になりうる。 5W2Hは実行可能性を保証するが、施策の妥当性は保証しない。 妥当性は前工程(戦略方針)の役割であり、5W2Hに担わせてはならない。
  • 「Whoは部署名でよい」という誤解:担当を『営業部』『開発チーム』など集団で書くと、全員が『誰かがやる』と考えて誰も動かない(責任の拡散)。 必ず個人1名を『主担当』として指名し、支援者と区別する。 1タスク1オーナーが実行の鉄則。

使うタイミング

戦略方針(第3プロセス)が固まり、施策の方向性が定まった直後のアクションプラン策定(第4プロセス)で使うのが最適です。 逆に、早すぎる使用は失敗します——課題分析や戦略の中身がまだ曖昧なうちに5W2Hで細部を詰めても、前提が変われば全項目を書き直すことになり、労力の空回りになります(『何をやるか』が決まる前に『誰がいつやるか』を詰めない)。 遅すぎる使用も危険で、施策を口頭合意だけで走らせたまま5W2Hを省くと、担当・期限・予算が曖昧なまま進行し、途中で『誰の仕事か分からない』タスクが放置されます。 また、探索・アイデア発散の段階(何が正解か分からず選択肢を広げたい局面)には不向きで、この枠組みは『やると決まったこと』を確実に実行に移すための収束のツールです。

関連する用語・フレームワーク

フレームワークを知らなくても、戦略は立てられます

AI戦略ファシリテーターが対話しながら、あなたの戦略づくりを最後まで伴走します。

7日間無料で試す
監修・運営:株式会社イボルバパートナーズ(戦略コンサルティング)運営者・専門性について