戦略ファシリテーター

STP分析 フレームワーク

エスティーピーぶんせき

市場を細分化(S)し、狙う層(T)を選び、競合との立ち位置(P)を定めて「誰に何で勝つか」を決める手法。

市場を分け(S)、狙う層を1〜2つに絞り(T)、競合と重ならない立ち位置を一言で定める(P)。

STP分析の図。セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの3段Sセグメンテーション業種・規模・課題・地域などで層に分けるTターゲティング市場規模・競合の少なさ・勝ち筋から1〜2層に絞るPポジショニング狙う層の頭の中で、競合と重ならない一言価値提案・4Pへ

定めた立ち位置は、価値提案と4Pに落とし、実際に選ばれるかを小さく検証する。

用途

限られた資源で戦う中小企業が、全方位に薄く広げず「勝てる一点」に狙いを絞り、競合と違う立ち位置で選ばれる状態をつくる。

使い方

  1. セグメンテーション(S)=市場を業種・規模・課題・地域などの切り口で層に分ける
  2. ターゲティング(T)=各層の市場規模・競合の少なさ・自社の勝ち筋から狙う層を1〜2つに絞る
  3. ポジショニング(P)=狙う層の頭の中で、競合と重ならない自社の立ち位置を一言で定める
  4. 定めた立ち位置が伝わる価値提案・4Pへ落とし込み、実際に選ばれるか小さく検証する

適用例

従業員300人規模の製造業向けクラウド勤怠SaaS(月額15万円)を売る20名のベンダーの例。 市場を(1)大企業(2)中堅製造業(3)飲食・小売に細分化(S)。 大企業は大手ベンダーが強く、飲食は単価が月2万円と低い。 そこで「多品種少量・シフト制の中堅製造業」に絞り(T)、『シフト制工場に特化した勤怠SaaS』とポジショニング(P)。 汎用ツールとの違いを打ち出した結果、商談化率が8%→19%、受注単価が月12万→18万円に上がり、半年で新規契約が月3社→7社へ増えた。

よくある誤解・つまずき

  • 「STPは大企業のマーケの話で、うちには関係ない」という誤解。 資源が少ない中小企業ほど、狙いを絞らないと大手に消耗戦で負けるためSTPの効果が大きい。
  • ポジショニングを『高品質』『低価格』『丁寧な対応』など誰でも言える言葉で埋めてしまう落とし穴。 競合も同じことを言っており、顧客の頭の中では区別されない。 競合が言えない・言わない一言に絞ってはじめて立ち位置になる。
  • セグメントを細かく割るほど良いと思い込む誤解。 細分化は目的ではなく、狙う層を1つに決めるための手段。 最後に『どの層に資源を集中するか』を選べていなければ、分けただけで終わる。

使うタイミング

3C分析で顧客・競合・自社をひと通り把握した②現状分析の後半〜③戦略方針を決める前に使うのが適切。 早すぎる(市場や競合の解像度が低いまま切り分ける)と机上の空論になり、遅すぎる(商品・価格・チャネルを先に固めてから)と後戻りが効かず、狙っていない層向けの打ち手を作り込んでしまう。

出典

フィリップ・コトラーマーケティング・マネジメント

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